【真珠の見分け方】本物か?偽物か?
「真珠が、本物か偽物かなんて、どうせ傍から見てわからない」と思っていませんか?
一方で「ちゃんとした場面に、オモチャはつけていけない…」と感じているなら、実は、真珠の本物をもつことで拡がる世界があります。
本物か偽物かは、「貝の中で育った」で決まります。
■真珠の偽物とは
世の中には「真珠のように見えるアクセサリー」がたくさんありますよね。
もちろん、そのような「真珠っぽいもの」を選んでも、ファッションとしてはじゅうぶん成立するでしょう。
けれど、「本物の真珠」でないものは、光の屈折具合がまったく違うので、単体で見て「わぁ、キレイ」とはなることはありません。
「パール」という紛らわしい名前がついていたとしても「本物の真珠」ではない代表的なものには、「コットンパール(綿を圧縮して塗料を塗ったもの)」や、「貝パール(分厚い貝殻を丸くして塗料を塗ったもの)」などがあります。
中心になる素材はいろいろですが、いずれも表面に「パールの光っぽく見える塗料」を塗っており、表面がつるつるしているのが特徴です。
パールの穴の部分に塗料がついていたりすることもあります。
見とれるような光の見え方はなく、べたっと塗った印象で、持った時に軽く、チープに見えてしまうものが大半です。
さらに、日光や経年劣化によって、すぐに塗料が剥がれて色あせてしまうため、耐久性はありません。
修理をして長く使うことはできない、消耗品だと言えるでしょう。
当然、金具も合金(ごうきん:ニッケル、鉄、アルミニウム、スズ、亜鉛、銅などを混ぜ合わせたもの)が使用され、アレルギーを起こしたり、すぐに黒ずんできます。
もし、パールをつないでいる糸やワイヤーが切れたとしても、本物を扱っている業者で敬遠されるのは、どんな素材かわからず、責任を持てないからです。
■真珠の本物とは
「本物のパール」といわれるものにも、「海で育ったもの」と「湖で育ったもの」の2つの種類があります。貝殻の内側が、虹色に光っているのを見たことがあるかもしれませんが、真珠の質は、その真珠層の違いによって、変わってきます。
また、真珠の輝きには、「表面の光沢感」だけでなく、「真珠の中心から放射される光」の美しさも重要な働きをしています。
もし、真珠の表面が、ガラスを磨いたようにピカピカと輝いていたとしても、真珠の珠の核になる部分からの光が弱ければ、七色に光が拡がる「真珠ならでは」の美しい輝きを得ることはできません。
▼湖で育つパール
「湖で育つ真珠」は、ヒレイケチョウ貝(中国)やイケチョウ貝(霞ヶ浦や琵琶湖)から採ることができます。
もちろん、きれいなものには高値が付きますが、湖で育つ「淡水パール」は、タンパク質の層の間が緩く、真珠層の密度が低い(巻きがゆるい)ため、どんなに丁寧に保管しても、摩耗したり、色があせる速度が早く、耐久性は低いので、代々受け継ぐものではなく、高価なジュエリーに使われることはありません。
また、「淡水パール」は、1つの貝の中から20粒ほど採れるため、そもそも色が揃うことが難しく、基本的には、色を合わせるために、後から着色する場合が大半です。
内側から出る光を楽しむというよりは、塗料による表面的な光沢や色を楽しむファッションアイテムであり、光の屈曲が弱いことから、シャープな美しい輝きを得ることはできないのです。
▼海で育つパール
一般的に「本物の真珠」と考えられているのは「海で育つ真珠」のことです。
海で育つパールには、あこや貝から採れる真珠(日本)、白蝶貝から採れる真珠(オーストラリア・インドネシア・フィリピン・ミャンマー)、黒蝶貝から採れる真珠(タヒチ)があり、すべて養殖で作られています。
「本物の真珠」は、巻きの層が緻密なので、光を押し返す力が強く、珠の中心から放射される光が、はっとする美しさを生み出します。
中でも、あこや真珠は、四季のある海で育ち、春夏に巻きの層を大きくし、冬に向かってぎゅっと締まっていくので、海外の真珠にくらべて、巻きの層の数は約10倍。
レンガ状になった層の間を光が幾重にも折り返され、きれいな色と光沢を放ちます。この複雑な美しさが世界中から絶賛される所以です。
高級なジュエリーには、海で育った「本物の真珠」が好まれ、扱う職人もトップレベルです。
特に、形が個性的なバロックパールの場合には、珠の配置1つで美しさが決まります。
熟練の職人が組んだネックレスは、バラバラした印象は一切なく、きちんと均整がとれた上品な美しさをもちます。
▼本物のパールの永続性
もし、ジュエリーを知らない人たちの間だけで一生過ごすなら「本物」を選ぶ必要はないかもしれませんが、本物の良さを知っている人たちと接する機会があるのなら、自信をもてる1本を手元に置いておくことで、世界が拡がります。
もちろん、イミテーションをつけていたとしても、馬鹿にされるなんてことはありません。
けれど、ビジネスでも大人の友人関係においても、相手が「偽物もいいと思うけれど、自分が持つならば本物が良い」という人であれば、きっと本物を持たない選択をしている人と、上質感について語り合いたいと思わないかもしれませんよね。
本物の真珠を持っているだけで、普段なら臆する場所であっても、ちょっぴり背中を押してくれるのも魅力。
また、服などとは違って、美しさがずっと続くので、圧倒的に投資効率が良いとも言えます。
耐久性があるからこそ、かえって毎日気軽に使うことができ、新たな人生の楽しみ方を教えてくれるだけでなく、きっと「持っていてよかった」と思う場面があるはずです。